【株投資】米国株 自動運転シリーズ第一弾 AEVA (Aeva Technologies, Inc.)

皆さん突然ですが、リモートワークって経験したことありますか?私も経験したことがあるのですが、どうも好きになれません。家が広ければいいのですが、この物価の高いシリコンバレーで大きなお部屋に住むことはもちろん難しく、狭い部屋に一日中いることがとても苦痛です。気分転換に外にでてカフェで仕事をするのですが、電話会議になるとお店の音楽が気になったりして中々集中できません。リモートワークの方が「作業」自体ははかどるので、非常にありがたいのですが、どのように気持ち的に暗くならずに業務を行えるかがカギですね。

 

前回までEV関連の企業を3社紹介しましたが、今日からちょっと自動運転技術の会社について紹介していきたいと思います。最初はAEVAという会社です。この会社の本社もマウンテンビューというシリコンバレーにあります。

1.Aevaとは?

 

“Aeva Technologies”は、自動車業界で活動しているテクノロジー企業です。この企業は、自動車用のリーダー型のセンシングおよび知覚プラットフォームを開発しており、自動運転車両における環境認識と安全性向上に寄与する技術を提供しています。以下はAeva Technologiesに関する詳細です:

  1. リーダー型のセンシング技術: Aeva Technologiesは、リーダー型のセンシング技術を開発し、自動車に組み込むことができます。このセンシング技術は、車両の周囲の環境をリアルタイムで認識し、障害物検出、距離測定、速度測定、物体識別などの情報を提供します。

  2. Lidar(光学的レーダー)テクノロジー: Aeva Technologiesのセンシング技術は、Lidar(Light Detection and Ranging)と呼ばれるレーザーベースの技術を基にしています。これにより、非常に高い精度で環境をスキャンし、自動運転車両が安全に運転できるようになります。

  3. 自動運転車両の安全性向上: Aeva Technologiesのセンシングプラットフォームは、自動運転車両にとって非常に重要です。高度な環境認識を提供することで、自動車は道路上の障害物や他の車両を正確に検出し、事故を防ぐのに役立ちます。

  4. 産業への展開: Aeva Technologiesは、自動車業界だけでなく、物流、運輸、産業用途など、さまざまな分野にセンシング技術を展開しようとしています。

Aeva Technologiesは自動運転技術の進化に貢献し、自動車の安全性と効率性向上に向けて取り組んでいる企業として知られています。ただし、最新の情報や進展については、公式ウェブサイトやニュースソースを確認することをお勧めします。

2.自動運転とは?

 

自動運転技術(Autonomous Driving Technology)は、車両が人間の運転手なしで自律的に運転できるようにする技術やシステムの総称です。この技術は、センサー、ソフトウェア、通信機器、制御システムなど、さまざまな要素から構成されています。自動運転技術は、以下の主要な要素から成り立っています:

  1. センサー技術: 自動運転車両は、周囲の環境を認識するためにさまざまなセンサーを使用します。これには、レーザースキャナー(Lidar)、レーダー、カメラ、超音波センサー、GPSなどが含まれます。これらのセンサーは、道路上の障害物や他の車両、歩行者、信号機などを検出し、データをリアルタイムで処理します。

  2. ソフトウェア: 自動運転車両は、収集したセンサーデータを解析し、適切な運転判断を下すための高度なソフトウェアを使用します。機械学習アルゴリズムや人工知能(AI)を活用して、交通規則の遵守、安全な運転、他の車両との連携などを実現します。

  3. 制御システム: 自動運転車両は、ソフトウェアに基づいて車両の制御を行います。これには、ステアリング、ブレーキ、アクセルペダル、変速機などの操作が含まれます。センサーデータから得られる情報に基づいて、運転コマンドを生成し、車両を操作します。

  4. 通信機能: 自動運転車両は、他の車両やインフラストラクチャーと通信するための通信機能を持っています。これにより、車両間の情報共有や交通情報の収集などが可能になり、交通の効率性向上や安全性向上に寄与します。

自動運転技術の発展には、多くの挑戦と課題が伴います。その中には法的な規制、安全性の確保、倫理的な問題、セキュリティの脆弱性などが含まれます。しかし、自動運転技術は将来の交通システムに大きな変革をもたらす可能性があり、交通事故の減少、交通の効率化、モビリティの向上など多くの利点が期待されています。そのため、自動運転技術は自動車産業や関連産業において注目されており、研究と開発が進行中です。

3.LiDAR技術について

 

レーザースキャナー(Lidar、Light Detection and Ranging)は、環境認識や距離測定に用いられるセンシング技術で、自動運転車両や地理情報システム(GIS)、測量、環境モニタリングなどの多くのアプリケーションで利用されています。Lidarの主な強みは次の通りです:

  1. 高精度の距離測定: Lidarは非常に高い精度で距離を測定できます。レーザービームを対象物に送信し、反射した光の時間を測定することにより、物体までの距離を正確に計測します。この高い精度は、自動運転車両が周囲の環境を正確に把握し、障害物を回避するのに役立ちます。

  2. リアルタイムのデータ収集: Lidarはリアルタイムでデータを収集し、高速移動中でも高頻度でスキャンできます。これにより、自動運転車両は急な状況変化に対応しやすく、高速道路や都市環境などで信頼性の高い環境認識が可能です。

  3. 広範囲の視野: Lidarセンサーは、360度の広範囲な視野を持つことが一般的であり、周囲の環境を包括的に捉えることができます。これにより、自動運転車両は周囲のすべての方向から情報を収集できます。

  4. さまざまな環境で利用可能: Lidarはさまざまな環境で利用でき、悪天候や低光条件でも高性能を維持できます。これは、雨、霧、夜間、暗闇などの条件下での自動運転車両の安全性を向上させるのに役立ちます。

  5. 物体の識別: Lidarは、物体の輪郭や形状を正確に捉えることができます。これにより、他の車両、歩行者、自転車などを識別し、適切な行動を取るためのデータを提供します。

  6. 地図作成に適している: Lidarは地形の詳細なマッピングにも使用され、地理情報システム(GIS)の開発や地図作成に貢献します。高解像度の地図を作成するために使用され、都市計画や土地利用の分析などに役立ちます。

  7. センサーフュージョン: Lidarデータは他のセンサーデータと統合することができ、より信頼性の高い環境認識を実現します。例えば、カメラ映像と組み合わせて、物体の識別や車線検出を向上させることが可能です。

これらの強みにより、Lidarは自動運転技術の中核的な要素として広く活用され、高度な環境認識と安全性向上に貢献しています。しかし、Lidarにはコストがかかることや、一部の特定の気象条件下で性能が制限されることなどの制約も存在します。そのため、自動運転技術では他のセンサーと組み合わせて利用することが一般的です。

4.Aevaの損益計算書

 

AEVAの損益計算書ですが、2019年からずっと赤字続きです。直近の2022年では147百万ン$の赤字を出しております。ただ、この会社はSPAC上場をしているので、すでに資金が豊富にあります。ただし、今後継続的に赤字が続くと財務的にも厳しい状況になっていくと考えられます。

赤字の原因は純粋に主力の製品である4D Lidarの継続的な販売先が見つかっていないことです。現時点でAevaは製品開発段階であり、様々な分野に対して自社のレーザー技術のサンプルを提供しております。

例えば:

  1. 大手自動車メーカーに対して、RFQ(製品見積)を提示していると四半期決算で述べており、2025年~2027年の量産に向けた提案を続けている事。
  2. ヨーロッパ大手の鉄道関連会社に対して自社のLiDAR技術の紹介をしている。
  3. Nikonに対して機械用のレーザー機器をサンプルを提供している。

自動運転運転技術のみならず、鉄道や機械関連の会社に対してもセンサー技術を紹介して販売網を広げようとしている状況である。

Aeva Technologies, Inc. PL (2019年~2025年予想)/単位:百万$

出典:Capital IQより抽出

5.Aevaの時価総額

 

Aevaの2023年10月時点での株価は$1を切って現在$0.67となっております。競合他社を見てみるとすでに厳しい会社もあり、自動運転の業界は今開発競争の中で淘汰が始まろうとしている状況だと考えられます。

Aeva及び競合の株価、株式総数及び時価総額

出典:Capital IQより抽出

6.Aevaの信用スコア

 

下記はCapital IQが算出した企業のスコアです。1(高)-4(低)に分類されており、「全体」「操業」「支払い能力」「流動性」の4項目を評価しております。Aevaの信用スコアは全体で最高評価の「1」でした。

SPACにて上場をして資金を開発に注力できる事もあり、まだ流動性資産が十分にある状況である事、売上は少ないながらも着実に多業界へサンプル・評価作業を行っている事が同評価につながっていると考えられます。

今後のAevaで一番重要なのは「量産」になります。各自動車メーカーに対して自社4D LiDAR製品を紹介していると推測しますが、一モデルでも採用になれば、自動車の台数分の供給が可能となり、そのモデルの生産が大きければ大きいほど、Aevaの売上が大きくなり、そして長期的に安定することが予想されます。加えて自動車以外でもセンサーを活用する機械メーカーへの供給もAevaの売上を底上げしてくれる重要な財源になります。自動運転は前から注目をされているなか、サンフランシスコでは自動運転のタクシーがすでに街を走っており、今後普及が加速すればAevaの業績や株価も大きく飛躍する可能性があります。

Aeva及び競合のクレジットスコア比較

AEVA社の信用スコア

出典:Capital IQより抽出

Hより

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