シリコンバレーにはいくつかの日系スーパーマーケットがあります。総じて日本で買うよりも3倍ぐらいの値段になっておりますが、背に腹は代えられぬ、日本食が恋しくなれば買いに行きます。アメリカではハンバーガーやピザ等比較的重い料理が多いので、たまには味噌汁に白ご飯だけで済ませたくなります。そして、日系スーパーに行くと和菓子もあり、今日は団子やあずきバーを買ってきました。我慢できず帰る車の中であずきバーを2本食べてしまいました。。。
さて、今日から米国投資関連シリーズとして個社分析をしたいと思います。第一弾は世界一の富豪が保有する電気自動車メーカーです。
1.テスラとは?
テスラ(Tesla, Inc.)は、2003年にマーティン・エーバーシャルとマーク・ターペニング、およびイーロン・マスクによって設立されました。この会社は、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー技術に焦点を当てており、その目標は持続可能なエネルギーの未来を形作ることです。
テスラの創業に関連するキーポイントは以下の通りです:
イーロン・マスクの参加:マスクはテスラの初期の投資家であり、彼のビジョンはテスラが成功する鍵となりました。彼はテスラの最初のCEOとしても知られており、その後も同社の重要なリーダーシップ役割を果たしています。
ロードスターの開発:テスラは2008年に最初の量産型電気自動車である「テスラ・ロードスター」を発表し、販売を開始しました。ロードスターは高性能な電動スポーツカーで、EVの技術を高める重要な一歩となりました。
モデルSの発売:テスラは2012年に「モデルS」を発売し、これは大衆市場向けの電気自動車として成功を収めました。モデルSは、高い性能、長い航続距離、先進的なテクノロジーを提供し、EV市場におけるテスラの地位を固めました。
再生可能エネルギー:テスラは電動車だけでなく、太陽光発電とバッテリー収納システムなど、再生可能エネルギー関連の製品も開発・販売しており、エネルギー分野でも影響力を持っています。
テスラはその後も新しいモデルを発表し、電気自動車業界においてトッププレイヤーの一つとなりました。また、自動運転技術の開発にも力を入れ、自動運転車の将来に貢献しようとしています。テスラの成功は、持続可能なエネルギーと移動手段に関する新たな革命を促進し、自動車業界全体に影響を与えています。
2.テスラのミッション
テスラのミッションは、「持続可能なエネルギーへの移行を促進し、人類の未来を改善すること」です。このミッションは、テスラの創業者であるイーロン・マスクによって明確に示され、会社の行動指針として掲げられています。
テスラのミッションに関連する主要な要素は以下の通りです:
持続可能なエネルギー:テスラは再生可能エネルギーを重要視し、太陽光発電、風力発電、そして電気自動車などの技術を通じて、化石燃料に依存しないエネルギーの使用を推進しています。これにより、環境への負荷を減少させ、気候変動に対抗する助けになると考えています。
高性能な電気自動車:テスラは、電気自動車の製造と開発に焦点を当てており、EV技術の革新を進めています。高性能な電動車を提供し、その結果、ガソリン車から電気自動車への移行を促進し、排出ガスの削減に寄与しています。
自動運転技術:テスラは自動運転技術の開発にも取り組んでおり、将来的には運転の安全性向上と交通事故の削減を目指しています。この技術により、運転者の負担を軽減し、交通効率を向上させることが期待されています。
グリーンエネルギーインフラ:テスラは、スーパーチャージャーネットワークなど、充電インフラの拡充にも取り組んでおり、EV所有者が便利に充電できる環境を整備しています。
テスラのミッションは、環境への配慮と革新的な技術の推進を組み合わせ、持続可能な未来の実現に向けた取り組みを象徴しています。その結果、テスラは世界中で注目を集め、持続可能なエネルギーと移動手段に関する新たな革命を推進しています。
3.テスラのモデル
テスラはさまざまな電気自動車(EV)モデルを提供しており、それぞれ異なる特徴を持っています。
テスラ モデル S(Tesla Model S):
- モデルSはテスラが最初に市場に投入した量産型電気自動車で、セダンタイプのモデルです。
- 高性能バージョンであり、0から60マイル(約96キロメートル)までわずか数秒で加速することができます。
- 長い航続距離を誇り、充電技術も高度化しています。
- 内部には大型のタッチスクリーンディスプレイを備えており、先進的な自動運転機能を提供しています。
テスラ モデル 3(Tesla Model 3):
- モデル3はテスラのエントリーレベルモデルで、コンパクトセダンとして設計されています。
- モデルSに比べて価格が手頃で、大衆市場向けに設計されました。
- 一般的に高い需要があり、大きなバッテリーパックと高性能バージョンも提供されています。
テスラ モデル X(Tesla Model X):
- モデルXはクロスオーバーSUVタイプの電気自動車で、モデルSのプラットフォームをベースにしています。
- 特徴的な「ファルコンウイング」ドアを備えており、後席へのアクセスが容易です。
- パフォーマンスと航続距離の面で高い性能を提供しています。
テスラ モデル Y(Tesla Model Y):
- モデルYはコンパクトSUVモデルで、モデル3と多くのコンポーネントを共有しています。
- セダンよりも高い車高と広い室内スペースを持ち、家族向けの選択肢として人気があります。
- ハイパフォーマンスバージョンも提供されており、追加のパワーとスポーティな特徴を提供します。
これらは一般的なテスラのモデルですが、テスラは新しいモデルや改良版を定期的に発表しています。また、自動運転機能の向上やバッテリー技術の進化にも取り組んでおり、テスラの製品ラインは変化し続けています。最新の情報やモデルについての詳細は、公式ウェブサイトや最新のニュースを確認することをおすすめします。
4.テスラの財務状況
テスラの財務状況について一般的な概要を提供します。ただし、財務状況は日々変動し、最新の情報はテスラの公式財務報告書やニュースから入手することが重要です。
収益と利益:テスラは売上高を急速に増加させ、持続的な成長を達成しています。2020年から2021年にかけて、売上高は大幅に増加しました。また、テスラは2020年以降、一貫して利益を上げており、利益性を向上させています。
電気自動車販売:テスラは電気自動車市場において世界で最も成功したメーカーの一つとなり、モデル3とモデルYなどの新しいモデルを導入して販売を拡大しています。
自動運転技術:テスラは自動運転技術にも力を入れており、ソフトウェアアップデートを通じて自動運転機能の向上を続けています。自動運転関連のサービスやソフトウェアの売上も成長しています。
財務指標:テスラの財務指標は一般的に好調であり、現金および現金同等物の保有額も増加しています。ただし、企業は研究開発、新工場の建設、自動運転技術の開発などに多額の資金を投じており、これらの事業展開に関連する支出も増加しています。
バッテリー事業:テスラはバッテリー製造事業にも参入し、「ギガファクトリー」と呼ばれる大規模なバッテリー工場を建設しています。バッテリー事業は再生可能エネルギー分野における成長分野の一つとされており、テスラの収益源を多様化させています。
テスラは成長著しい企業であり、電気自動車市場や再生可能エネルギー分野において大きな影響力を持っています。ただし、自動車業界は競争が激しいため、今後の財務状況は市場状況や競合他社の動向に大きく左右される可能性があります。最新の財務情報については、テスラの公式報告書や財務ニュースを確認することをおすすめします。
Tesla, Inc. PL (2019年~2025年予想)/単位:百万$

出典:Capital IQより抽出
5.競合比較
テスラは電気自動車(EV)市場で競合他社と競り合っており、その競合相手は以下のような企業です。なお、競合状況は変動するため、最新の情報は市場動向によって変わる可能性があります。
フォード(Ford):
- フォードは伝統的な自動車メーカーであり、電気自動車市場への参入を進めています。フォードは電気自動車の「マスタング マッハ-E」や「フォード フ-150 ライトニング」など、幅広い電気自動車モデルを提供しています。
ジェネラル・モーターズ(General Motors、GM):
- GMも伝統的な自動車メーカーで、電気自動車市場に積極的に取り組んでいます。GMは「シボレー・ボルト EV」や「GM ハマー EV」などのEVモデルを展開しており、電動車プラットフォーム「ウルティウム」を開発しています。
フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group):
- フォルクスワーゲングループは多くの自動車ブランドを傘下に持ち、電気自動車市場にも積極的に進出しています。ブランドにはフォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、スカーラ、などが含まれます。特に「フォルクスワーゲンID.シリーズ」や「アウディ e-tron」などのEVモデルを展開しています。
日産(Nissan):
- 日産は、電気自動車の先駆けとして「日産 リーフ(Nissan Leaf)」を導入しました。現在もリーフを含む電気自動車モデルを提供しており、EV市場での競争を続けています。
ルシッドモーターズ(Lucid Motors):
- ルシッドモーターズは、高級電気自動車を専門とする新興メーカーで、特に高性能なEVモデル「ルシッド エア」を提供しています。テスラとの競合に挑戦しています。
ポールスター(Polestar):
- ポールスターはボルボカーグループとゲイコノールドとの合弁事業として設立され、高級電気自動車ブランドとして知られています。モデル「ポールスター 2」などを販売しています。
これらの競合他社との競争は、電気自動車市場の成熟とともに激化しており、各社は新しいテクノロジーやモデルの開発、充電インフラの拡充、自動運転技術の向上などで市場シェアを争っています。消費者にとっては、競合が活発なため、多くの選択肢が提供され、EVの性能と価格が向上する可能性が高まっています。
下記はテスラとその競合先の株価と時価総額を表に表したものです。テスラの株価は変動はありますが、約$250程度で競合先に比べて圧倒的に1位となっております。加えて一番右の時価総額でもダントツの1位です。これはテスラの電気自動車のシェアやイーロンマスクのブランド、チャージステーションの標準化や生産ラインの効率化等様々な要因を含めて評価をされております。
私はテスラの本社に近い場所に住んでおりますが、肌感覚ではテスラの車は10台に1,2台見ます。時には運転中に自分の周りが全部テスラなんて状況も頻繁にあるほど、同社の車は浸透している状況です。
テスラ及び競合の株価、株式総数及び時価総額

出典:Capital IQより抽出
6.テスラの信頼スコア
下記はCapital IQが算出した企業のスコアです。1(高)-4(低)に分類されており、「全体」「創業」「支払い能力」「流動性」の4項目を評価しております。テスラは3項目が最高評価の「1」を出しております。電気自動車のパイオニアであり、上場後に厳しい時期を乗り越えて安定的且つ爆発的な利益を生み出し、多額の流動資産を保有しております。
今後の同社の将来という意味では、アメリカ市場では盤石なマーケットシェアを維持しつつ、最大マーケットである中国でも工場を稼働させており、世界中で販売を拡大させることができれば、名実ともに世界最大・最強の電気自動車メーカーになると思います。
テスラ及び競合のクレジットスコア比較

出典:Capital IQより抽出
Hより
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